半導体分野の勉強方法
今回は半導体分野の勉強方法について自分が意識していたことを解説したいと思います。
半導体の勉強はなぜ難しい?
筆者は社会人になってから、ほぼ独学で半導体の勉強を始めました。
化学系の専攻だったため、機械や電気回路に苦手意識があったのは事実ですが、それでも思っていた以上に難航しました。
色々原因はあったと思いますが、今思うと主な理由は下記の3点でした。
1.分野が多岐にわたっている
一口に半導体の学習といっても、さまざまな切り口があります。
動作原理、デバイスの機能、構造、製造工程、市場動向、などなど。
これらをすべて理解するには膨大な知識と時間が必要になってきます。
2.専門用語(特にアルファベットの略語)が多い
半導体を勉強していると、初見では理解できない専門用語を頻繁に目にします。
たとえば、、、
DRAM、インターポーザー、FC-BGA、FPGA、MOSFET、セミアディティブ、DDR4、CMP、CVD、i-THOP、、
似たような紛らわしい単語が多くて頭が混乱しますよね。
分からない単語が出てきてその説明を調べてみると、また分からない単語が出てくる、なんてこともざらでした。
3.技術のアップデートが早い
半導体は日々ものすごい速さで進歩しています。
そのため、数年ごとに新しい構造の半導体やプロセスが生まれたりします。
自分が勉強している内容はいつの時代の技術のものなのか意識し、常に最新の情報にアクセスしようとする意識が必要になってきます。
上記のように、半導体分野は膨大でややこしく、さらに現在進行形で進化している、非常にやっかいな分野なのです。
そのため、半導体を効率的に勉強するには工夫が必要になってきます。
半導体分野の効率的な勉強方法
1.半導体の何を学習したいのか明確にする
当たり前のようですが、意外とここがあやふやな人は多いように思います。
目的から逆算して、自分が重点的に勉強したい分野を明確にしましょう。
例えば、
筆者のような化学メーカーの研究者が半導体向けの製品を開発するために必要な知識を得たい
→ 半導体がどのように作られているか、何からできているかを知る必要がある
→ 製造プロセスやデバイスの構造について学習する
半導体を実際につかってものづくりしたい
半導体関連銘柄に投資したい
→ 半導体の製造にかかわる企業を調べる必要がある
→ 半導体がどのように作られているか、どのような半導体の種類があるか
→ 半導体の製造プロセスやデバイスの分類、市場動向について学習する
筆者は半導体の分野をざっくり、
動作原理、デバイスの機能、デバイスの構造、製造工程、関連企業
の5つに分類しております。
以降の記事も、この分類方法で分野分けして掲載しようと思いますので、学習の参考にしてみてください。
2.体系的に整理する
これは、半導体分野に限った話ではないですが、独学で何かを勉強する際には非常に重要なことだと思います。
たとえば、フリップチップという単語を目にした時、
これは ①デバイスの構造 の話の中の ②チップ実装形式 に関する言葉で、
他のチップ実装形式には ③ワイヤボンディング があるな、、
という風に、関連するワードを階層的に結びつけれるようになると理解が深まりやすいでしょう。
上記の1、2を意識して学習していくと、以下の図のように、もやもやしていた頭の中がスッキリと整理されていきます。
また本ブログでも皆さんが理解しやすいように、私なりに体系的に整理した形で記事を作成しようと思っておりますので、参考にしてみてください。
3.最初から完璧に理解しようと思わない
これも半導体分野に限った話ではないですが、一度に全てを理解しようと思わない方がいいです。
例えば、ある書籍を読む際には、一周目は細かい単語などは置いといて、その分野の全体像をつかむようにしましょう。
無理に覚えようとせず、パラパラとで良いので、何度も繰り返し読んだ方がよいです。
つまり、同じ時間をかけるなら、1週じっくり読むよりも、流し読みで2週3週と読んだ方が記憶に残りやすいです。
また、1冊完璧に理解する前に、別の類似書籍を読んでみるのもおすすめです。
同じ分野を微妙に異なる複数の視点から学習することで、体系的に理解しやすくなったり、新たな発見があったりします。
書籍だけでなくサイト等を活用して学習する際も同じことがいえます。
まとめ
半導体を学習する際には、以下のことに注意して効率的な学習を目指しましょう。
1.半導体の何を学習したいのか明確にする
2.体系的に整理する
3.最初から完璧に理解しようと思わない